まっこいだぜ〜

1994年12月10日生まれ。性別=雌。生粋のビーグル犬である。 先祖はイギリスで狐狩りのお供などをして暮らしていたらしい。
師走も押し迫った寒い日、生後10日でノムラ家にやってきた。 以来、恥も外聞も奥ゆかしさもなくオイラを自慢してやまない「犬バカ一家」の中で、猟犬であることを忘れきった「駄犬」の生活をすることとなる。

名前がついたけど

「まっこい」って名前、なんかヘンじゃない?
名付け親は、トレッキー(アメリカのテレビドラマ・スタートレックファンのこと)のご主人である。オイラは一応は雌犬ということになっているのだから、もちっとマシな名前を付けてくれてもいいと思ったね。名前を決めるに関しては家族間でひと悶着あったけれど、自称奥ゆかしい(?)お母さんが折れることで解決。名前は「まっこい」ときまった。
どうみてもスタートレックに出てくる「ドクターまっこい」とは程遠いと思うよ。だって彼はおじいさんなんだもの。でも、こんなヘンな名前でも、慣れてしまえばなんとかなるものだから不思議だ。
小さなオイラを育てるのは、生易しい仕事ではなかったみたい。だってミルクも上手に飲めないんだもの。犬用の哺乳便の乳首なんて固くて使えないので、お母さんが人間の赤ちゃんの使い古し哺乳瓶をもらってきてくれた。それでようやくミクルを飲めるようになった。赤ちゃん用のそれはとても柔らかかったから。 オイラははたいそう寒がりで、寝床作りも大変だったみたい。小さな電気あんかを用意してくれて、箱の中に毛布といっしょに入れてくれた。

小さいうちは、犬も人間の子供と行動が似ているらしい。オイラも悪戯に関しては人間の子供に負けないぞとばかりに、ありとあらゆるところに、ガリガリと噛みついた。 おかげでボロッチイ野村家は、もっとボロボロになった。 まずオイラが好きなのは木だね。家具や家の柱などの木材は格好の餌食だ。「畳」や「履き物」、それに人間の手も大好きだよ。、とにかくしょっちゅう何かをガジガジとかじっているんだ。 「人の手を噛むことをやめさせること」。 これがオイラを躾る最初の課題となったらしい。「家具は血が出るわけではないが、 子供の手などに噛みついたら大変なことになる。」というのが、夫妻の意見だ。噛んだときには、こっぴどく叱られた。でも、オイラは叱られても噛み続け、ついに畳1枚をボロボロにしてしまった。座椅子も幾つかダメにした。中身のスポンジを出すのが楽しくてついつい・・・。
「いたずらの記念」にと、畳と座椅子を物干し場に飾られた。これって、単に汚いだけかしら・・・
躾のたまものか、それとも大きくなったせいなのか、そのうちに噛み噛みは止まるのだが、 「躾をすれば、それなりに 言うことを聞くようになるのだ」と、当たり前のことに妙に納得している飼い主だ。

一見食い気と眠気だけのように見えるオイラだが、好きなものは他にもいっぱいある。
たとえば柔らかい布。洗濯物や座布団などがそれだ。新しいものや洗濯した布などがあると、毛だらけになった座布団には見向きもしなくなり、きれいなものを選んでその上に乗る。人間さまを押しのけてだ。
オイラはきれい好きなんだ。もしかすると、オトーサンよりもきれい好きかも知れないな・・・


留守番犬なのだ

正月休みの後、共働き夫婦が仕事に出かける日が来た。留守の間の拾い食いがとても心配だったお父さんが、苦肉の策として考え出したのが、ネットを張ることだった。小さいので首輪をするのはかわいそうという発想らしい。 ネットの中で自由に遊ばせるために張ってくれたネットだけれど、オイラにはチョロいもんさ。簡単によじ登れるんだもの。
子犬にも人間の赤ん坊のように、そのヘンにあるものを手あたりクチに入れてしまう習性がある。 植木鉢の花、風呂場の石鹸、ゴミ、タバコの吸い殻等々。 そんなものを食べたときには、決まってお腹をこわすというのに、オイラは何でも食べてしまう。

ネット張り作戦は失敗、結局は留守の間はリードを付けらることになった。
そうこうしているうちに月日は経ち、オイラはすっかり留守番にも慣れた。
共働きの一家でも犬はちゃんと留守番できるんだぜ。 犬ってのは、とても順応性がある動物なのだ。