日本語入力の基本

★日本語を入力するのに必要なシステム

Wordで日本語入力するには、日本語入力システムが必要です。 Office XPには、日本語入力システム「Microsoft IME 2002」が付属しています。 Wordでは従来の入力方式(Microsoft IMEスタンダード20002)のほかに「Microsoftナチュラルインプット2002」という入力方式が追加されました。
スタンダードの場合は、今までどおりすべてのアプリケーションで使うことができます。
ナチュラルインプットは、従来の文字変換のやり方に不慣れなユーザーが、より直感的に入力できるように開発された入力方式です。
Officeアプリケーションを起動すると、言語バーが表示されます。IMEスタンダードは赤く、ナチュラルインプットは青く表示されます。

★ナチュラルインプットの特徴

  • いつでもカーソルを移動できます。
    従来の方法ではいったん確定してからでないと、カーソルの移動はできません。
  • いつでも変換しなおせます。
    スタンダードの場合は、一度変換キーを押して未確定状態に戻した後でなければファンクションキーは機能しません。
  • 文節区切りを意識する必要はありません。
    ナチュラルインプットの場合は、カーソルの位置を気にする必要がありません。 考えられるすべての区切りを想定して変換候補を表示します。

★日本語入力と直接入力を切り替えるには

  • 言語バーの「入力モード」をクリックし「ひらがな」を選択します。
  • 「半角/全角」キーを押します
    ※ナチュラルインプットでは、直接入力の切り替えはありません。英文入力の場合は「半角英数」モードにします。

★ローマ字入力とかな入力の違い

  • 日本語を入力するには、「かな入力」と「ローマ字入力」があります。
  • 言語バーの「ツール」→「プロパティ」→「全般」タブをクリックし、「入力設定」で入力方法の設定ができます。
  • ローマ字入力のメリットは「覚えるキーの数が少ない」「英字を入力するときにも便利」などがあります。
  • 「かな入力」には「読みのままの入力ができる」というメリットがあるものの、覚えるキーの数が多く、英字との切り替えも面倒です。
  • 「かな入力」と「ローマ字入力」の切り替えは、「Altキー+ひらがな」キーでもできます。

★言語バーの構成

言語バー(IMEツールバー)に表示されている状態は、左から[修正・入力方式・入力モード・変換モード・IMEパッド・ツール・CAPSロック/カナキーロック]となっています。
音声認識機能がインストールされている場合は、言語バーに「マイク」ボタンと「音声認識ツール」ボタンが表示されます。

修正確定した文字を再変換できる
入力方式IMEスタンダードとナチュラルインプットを切り替える
入力モード これから入力する文字の種類を選択する
変換モード4つの変換モードがあります。 「人名/地名」を選ぶと、地名辞書や郵便番号辞書を使う設定に切り替わります。 「話し言葉」を選ぶと、親しい間柄でよく使うような表現がスムーズに入力、変換できるようになります。「無変換」を選ぶと、変換されなくなります。
IMEパッド読み方が分からないときには、IMEパットのアプレットという機能を使います。 アプレットメニューから次の種類を選択できます。
・読みの分からない文字を手書きできます。(手書き)
・記号や特殊文字を一覧から探せます。(文字一覧)
・画面に表示されるキーボーから入力できます。(ソフトキーボード)
・総画数で探すことができます。(総画数)
・部首を指定して探すことができます。 (部首)
ヘルプ Microsoft IME 2002のヘルプ、言語バーのヘルプを表示する

★IMEスタンダードを使って漢字を入力するには

  1. 読みを入力します。
  2. 入力した後に「変換」キー、もしくjは「スペース」キーを押して漢字にします。 下線が波線から実線に変わります。この実線は文節(文の区切り)を示します。 太い線の部分が現在注目している文節です。注目文節は再度変換キーを押すことにより、他の候補を表示することができます。目的の漢字が表示されなかった場合は、↑↓のキーで目的の漢字を選択します。
  3. すべての変換内容が意図したものであれば[Enter]キーで確定します。

★ナチュラルインプットを使って漢字を入力

  1. 読みを入力します。
  2. 変換キーを押します。
  3. 変換内容が違う場合は、その位置にカーソルを移動します。
  4. 変換キーを押します。
  5. ↑↓キーで、目的の漢字を選択し、方向キーまたはEnterキーを押します。

★間違えた読みを削除するには

  • 読みを削除するには、方向キーで削除する位置にカーソルを移動し、BackSpace または Delキーを押します。
  • 読みを挿入するには、方向キーで削除する位置にカーソルを移動し、文字を入力します。

    ※IMEスタンダードでは、変換後 ESCキーを押して変換前に戻すことやまとめて取り消すことができます。
    ナチュラルインプットでは、どの入力状態からも修整が可能です。

★IMEスタンダードを使って、変換の区切りをを変更する

  • IMEスタンダードでは、変換したときの区切り位置が適切でない場合、Shift + 方向キーで、文節を調節することができます。
  • ナチュラルインプットの場合は、文節を意識する必要はありません。

★変換候補のメニューを使う

  • 変換候補のメニューを使って、「読みに戻す、変換、確定、元に戻す、並べ替え」を実行できます。
  • 変換候補一覧の右下に、メニューを表示するボタンがあります。このボタンを使って、読みに戻したり、変換候補を並べ替えたりできます。

★再変換をするには

  1. 確定した文字列を選択します。
  2. 変換キーを押すか、言語バーの「修整」ボタンをクリックします。
  3. 正しい漢字を選択し、Enterを押します。
    ※再変換の操作は、必ず「変換」キーを使います。

★ファンクションキーを使って、に変換するには

ひらがな変換 読みを入力したあと F6 キーを押します。
カタカナに変換読みを入力したあと F7 キーを押します。
半角に変換 読みを入力したあと F8 キーを押します。
全英字に変換 入力方式がローマ字のとき、 F9 キーで全角の英数字に変換されます。
半角英数変換F10 キーを押すと、半角の英数字に変換されます。
全角カタカナかな入力のときに F9 キーを押すと、全角のカタカナに変換されます。

★IMEパッドの機能

読み方が分からないときには、IMEパットのアプレットという機能を使います。
アプレットメニューから次の種類を選択できます。

  • 読みの分からない文字を手書きできます。
  • 記号や特殊文字を一覧から探せます。
  • 画面に表示されるキーボーから入力できます。
  • 総画数で探すことができます。
  • 部首を指定して探すことができます。

★文字一覧を使って入力するには

  1. 言語バーの「IMEパッド」をクリックします。
  2. 「文字種の選択」ボックスの▼をクリックし、一覧から文字種をクリックします。
  3. 「フォント」ボックスの▼をクリックし、一覧からフォントをクリックします。
  4. ボックスから、目的の文字や記号をクリックします。

★ソフトキーボードを使って入力するには

  1. アプレットメニューから「ソフトキーボード」を選びます。
  2. [配列の切り替え]をクリックして、一覧から「ひらがな/カタカナ」を選びます。
  3. 表示されているキーをクリックして読みを入力します。
  4. [変換]をクリック、または、変換キーを押します。
  5. [Enter]で確定します。
    ※ひらがな/かたかなのほかに、英数字(QWERY配列)、英数字(ABC配列)、数字/日付配列などある。、

★総画数を使って文字を入力するには

  1. IMEパッドをクリックします。
  2. アプレットメニューから「総画数」を選びます。
  3. 総画数ボックスに総画数(4)を入れます。
  4. 目的の漢字を探し、表示されたらクリックします。
  5. 閉じる(×)で終了します。

★部首を使って入力するには

  1. IMEパッドをクリックします。
  2. アプレットメニューから「部首」を選びます。
  3. 部首画数ボックスに部首の字画数(2)を入れます。
  4. 部首(人)を選択し、右側の文字リストから目的の文字を探しクリックします
  5. 閉じる(×)で終了します。

★ユーザー辞書に単語を登録するには

MS-IMEには、標準辞書を含めて8種類の辞書が用意されています。 よく使う単語をユーザー辞書に登録しておくと、簡単に入力ができます。

  1. 入力した単語を選択し、Ctrl キーを押しながら C キーを押します。
  2. 言語バーの「ツール」→「単語/用例登録」をクリックします。
  3. [読み] ボックスに、登録する単語の読みを入力します。
  4. [語句] ボックスに、表示された単語を確認します。(必要に応じて修正できます)
  5. [品詞] ボックスの一覧で、登録する単語の品詞をクリックします。(品詞が分からない場合は名詞のままでもよい)
  6. コメントを付けるときは、[ユーザーコメント] ボックスに 60 文字以内で入力します。
  7. [登録] ボタンをクリックします。
  8. 「閉じる」をクリックします。

※Wordの「編集」→「日本語入力辞書への単語登録」をクリックしてもできます。

★変換トレーニングウィザードを使って自動登録する

変換トレーニングウィザードを使って、既存の文書から自動登録することができます。
(Officeでサポートされている文書のみ)

  1. 言語バーの「ツール」→「変換トレーニングウィザード」をクリックします。
  2. 左のアイコンの上に、単語を登録する文書のアイコンをドラッグ&ドロップします。 または、「参照」ボタンをクリックして文書を指定します。
  3. 「次へ」をクリックします。単語の抽出が始まります。
  4. 「完了」をクリックします。
    登録された単語を編集するには「辞書ツールを起動する」をクリックします。

★ユーザー辞書に登録した単語を削除するには

  1. 言語バーの「ツール」→「単語/用例登録」をクリックします。
  2. 「辞書ツール」タブをクリックします。
  3. 一覧から削除したい単語を選び、[編集]→[削除](または削除ボタン)をクリックします
  4. 確認のメッセージが出ますので「はい」をクリックします。

★登録した単語を変更するには

  1. 言語バーの「ツール」→「単語/用例登録」をクリックします。
  2. [辞書ツール]ボタンをクリックします。
  3. 単語一覧から変更したい単語を選び、[編集]→[変更](または変更ボタン)をクリックします.
  4. 内容を変更し、「登録」ボタンをクリックします
  5. 確認のメッセージが出ますので「はい」を押します。
  6. 「閉じる」ボタンをクリックします。

★プロパティの「全般」タブで設定できる項目

  • 「キー/ローマ字/色の設定」(IMEスタンダードのみ)
  • 変換後に文字単位での編集(IMEスタンダードのみ)
    変換した後、文字単位でカーソルを移動するかどうかの設定
  • 入力設定
    ローマ字とかな入力の選択、初期入力モードの変更、句読点や記号種類の変更、テンキーからの入力設定など
  • その他
    メニューやダイアログで使用する言語の選択、未確定文字のフォントの設定など
  • 標準に戻す(IMEスタンダードのみ)

★ナチュラルインプットでキー設定するには

ナチュラルインプットのプロパティには「キー設定」タブがあり、ローマ字設定、スペースキー、Enterキー、ファンクションキーの設定ができます。

・ローマ字かなとローマ字の対応を、ほかの日本語入力システムにあわせることができる
・Spaceキー スペースの種類では、入力するスペースを半角/全角を設定できる
スペースを変換に使用する設定ができる
Shiftキーを押したとき、Ctrlキーを押したときの設定ができる
・Enterキー 変換前や変換中に改行するかどうかを設定できる
・ファンクションキー ファンクションキーを使用するかどうかを決める

★変換に関する設定(プロパティの変換タブ)

・変換変換の方法(一般、人名/地名、話言葉優先、無変換)を決める
・候補一覧変換中の候補一覧に表示する文字種を設定する。 オフにするとその文字種は表示されない
・コメントの表示変換中の候補一覧に文字コメント、単語コメントを表示するかどうかを設定する

※ナチュラルインプットでは、変換中の「カーソル位置の前途の内容を参照して変換を行う」と「注目文節が移動するときに移動前の注目文節を確定する」のチェックボックスは表示されません。

★日本語と英語を混在して入力するには

  1. IMEプロパティの「和英混在入力」タブを選択します。
  2. 「対象文字列を自動で変換する」チェックボックスをオンにします。
    対象文字列一覧で指定した文字列を入力した後、自動で指定した入力モードになります。
    ※ナチュラルインプットでは「英数モードでSpaceキーでスペースを入力する」と「英字をローマ字かな漢字変換する」のチェックボックスは表示されません。

★「辞書/学習」の設定

  • 「学習」は、辞書の学習の効き具合を6段階で設定できます。「なし」では学習しなくなり、「過剰」では、過剰に学習するようになります。
  • 「学習結果をユーザー辞書に書き込む」をチェックすると、学習した単語がユーザー辞書に書き込まれます。
  • 複数のユーザー辞書がある場合、ユーザー辞書を変更することができます。「辞書名」ボックスには現在使われているユーザー辞書が表示されています。 「参照」をクリックすると、別のユーザー辞書が選択できます。
  • 「辞書ツール」ボタンをクリックすると、IME辞書ツールが起動します。

★システム辞書を追加するには

  1. 「プロパティ」ダイアログの「辞書/学習」タブをクリックします。
  2. システム辞書の「追加」ボタンをクリックします。
  3. 追加する辞書を選択し、「開く」をクリックします。
    ※システム辞書は、「常に使う」「指定されている変換モードで使う」「使わない」の3つが設定できます。
    ※システム辞書には、次のような種類があります。

    話言葉、顔文字辞書 かお →  (^^♪
    カタカナ語英語辞書マイクロソフト →  Microsoft
    単漢字辞書 単漢字辞書
    郵便番号辞書郵便番号を入力すると、住所に変換される
    人名地名辞書人名地名辞書
    記号辞書 記号辞書
    文字コード辞書 889f → 亜(文字コードから該当する文字に変換される)

★入力ミスしやすいパターンを自動修正するには

  1. IMEプロパティの「和英混在入力」タブを選択します。
  2. 「入力オートコレクト」のリスト内のチェックボックスを、必要に応じてオンにします。
  3. 「オートコレクト」の「全角/半角」チェックボックスで、文字種ごとに「変換しない」「常に全角に変換」「常に半角に変換」「前回の変換結果に従う」のいずれかを設定することができます。

★手書き入力パッドを使ってテキストを入力するには

  1. 言語バーの[手書き]ボタンをクリックします。
  2. 「手書き入力パッド」をクリックします。
  3. 「テキスト」をオンにします。
  4. 手書き入力パッドにマウスで手書きをします。
  5. しばらくすると、文書内にテキストが挿入されます。
    ※「手書き検索」ボタンをオンにすると右のボックスに候補が表示されます。
  6. 閉じる(×)で終了します。

★手書き入力パッドを使わずに、画面上の任意の領域に文字を入力するには

  1. 言語バーの「手書き」→「全画面入力」をクリックします。
  2. 「テキスト」ボタンをオンにします。
  3. 画面上の任意の領域に文字を書きます。しばらくすると自動で文字が認識されます。
  4. 閉じる(×)で終了します。

★手書き文字をそのままのイメージで入力するには

  1. 言語バーの「手書き」→「インク」をクリックします。
  2. 画面上の任意の領域に文字を書きます。しばらくすると自動で文字が認識されます。
  3. 閉じる(×)で終了します。
    ※フォントサイズ、フォントの色、太字などが設定できます。
    ※インクの入力に「手書き検索」を使うことはできません。

★文書内に手書き図形を描くには

  1. 言語バーの「手書き入力」→「スケッチパッド」をクリックします。
  2. スケッチバッドのボックスに図形を描きます。
  3. 「スケッチの挿入」ボタンをクリックします。
  4. 閉じるボタンをクリックします。
    ※「クリップボードにコピー」ボタンをクリックすると、クリップボードにコピーできます。

★手書きのオプションで、文字の色や太さなどを設定するには

  1. 「手書きパッド」または「全画面入力」ツールバーの▼をクリックし「オプション」を選択します。
  2. オプションダイアログで、設定します。
  3. 「OK」をクリックします。

★話した言葉をテキストに変換するには

  1. 「ツール」→「音声」もしくは言語バーの「マイク」ボタンをクリックします。
  2. 「ディクテーションモード」か「音声コマンドモード」どちらかをクリックします。
    ※音声認識のディクテーションモードとは、話した言葉をテキストに変換するモードです。
    ※音声コマンドモードとは、コマンドの指示を言葉で伝えるモードです。
    ※「音声認識ツール」ボタンをクリックすると、音声変換トレーニングやオプションの設定ができます。