鳴神山へハイキング(2000/11/11)
鳴神山は、群馬県桐生市に在る。標高980m と低山だが頂上の見晴らしが素晴らしいとの案内でここに決めた。 初心者向けのハイキングコースということなので、私のような軟弱者や、わが家の座敷犬、運動不足の小学生でも何とかなるだろうと。
今回は夫婦と犬一匹に加えて、小学3年の少年が参加することになったのだ。

登山開始時刻は午前11時13分。
熊出没注意の標識もあることだし、一応の熊よけにと少年のリュックに鈴をつけた。いったいこんな音で熊よけになるのだろうか、疑問・・・



杉林の中を沢に沿ってしばらく歩く。
透き通った沢の水を横目に、せせらぎの音を聞きながら 、なんとも心地よく、ルンルンと鼻歌混じりで歩く。
杉林を歩いているうちにいつのまにか竹林の中にいた。
晩秋だというのに、竹は青々としていて、春か夏の山と錯覚しそうになる。

林道が終わると舗装された道路に出る。どうやら切り出した杉を車で運ぶためらしい。 車が通るように作られているが、歩行者にはこれがつらい。斜度があるのですべり安いのだ。登山靴を持ってない少年がズルズルと滑っている。転がり落ちてもいいように、夫が後ろへ回った。私も滑りそうになるのをこらえながらこの道を用心深く登った。


ズルズル滑る舗装道路を過ぎると、本格的な登山道が始まる。大きな石ころがゴロゴロしている道だ。1時間半も歩くと心臓がバクバク言い出し、脹脛がパンパンになるのを感じる。
1時間半くらいで頂上に着いていいはずなのに、2時間経っても着かない。 というのは、いつもは張り切って山登りする犬の「まっこい」が、今回は大変手こずらせてくれたからだ。

どこかに獣の臭いをかぎつけて、野生の血が騒いだらしい。一人でどこかへ行ってしまい、いくら呼んでも登って来ない。結局夫が2度も探しに降りる羽目になった。降りてみると小さな穴を覗いていてそこから動かなかったらしい。一体何がいたのだろう・・・
しかななくこの後にハーネスをつけた。ハーネスをつけての登山は大変なので、夫が少々気の毒だった。ったく、困ったイヌだわ。

「どうだ!」
そんな声が聞こえてきそうな頂上の絶景だ。
素晴らしいパノラマである。
天候に恵まれたせいもあるだろうが、群馬の名だたる山が四方に一望できる。美しさにしばし息を飲む。

頂上手前はかなりの急勾配だ。
狭い岩場から下を見ると断崖絶壁、高所恐怖症の私はカメラを構えるなどとてもできなかった。
オマケに晩秋ということで枯葉の山、足元は大変滑りやすくなっている。
登りはまぁ何とかなったが、下山時はとても怖かった。

鳴神山頂へ着いたのは、約2時間と少々。
頂上でお弁当を食べて、帰りは1時間半ほどで下山。無事にわが家にたどり着けた。
少し怪我を負ったが、まっこいも山犬にならずにすんだ。
めでたし、めでたし・・・