2日目・津軽海峡を渡り函館〜洞爺湖へ
AM 6:00 国設薬研野営場の朝
冷たいものが顔に当たって目覚めた。
昨夜は、テントを張らず網タープの中に簡易ベッドを置いて寝たので、網の隙間から雨が入ってきたのだ。寝る前は満天の星空だったのに、夜中に天候が崩れたらしく、いつのまにか雨が降り出していた。
小雨がそぼ降る原生林のキャンプ場の朝は、少々肌寒かったが自然のクーラーのようで心地よかった。しかしその涼しさもつかの間、薬研を発つころには雨もあがり、暑い夏の日差しが顔を見せ始めた。
今年の夏は北の町に居てさえ本当に暑い。昨年の夏は寒さに震えていた薬研だったのに・・・
AM 11:30 大間港から津軽海峡を渡る
9時30分。本州最北端の地であり、私たちにとっての"痛恨の大間崎"に到着した。
昨年は、遠路遙々ここまで来て船に乗れず、北海道へ渡るのを断念した。予約切符を買わなかった自分たちの甘さのせいだったが、呆然と大間の港に立っていた去年を、思い出す。
10時にフェリーの受け付けを済ませ、1時間ほど埠頭に列んでから乗船が始まった。指定席をとってあったので船の中では楽々だったが、まっこいが車の中に居るのが少々気がかりだった。動物は
客室に入れないのだ。さほど気温が高くないことと、1時間40分という航程時間が唯一救いだった。もっとも、12時間もかけて大間までドライブしてきたのには"犬連れ"という大きな理由があったのだが・・・この配慮は犬には分かるまい。
船上から眺めた函館山が、"津軽海峡を渡っているんだ"と、実感させてくれた。津軽の海は波もなく、青い海原を時折ヒラヒラとカモメが飛んでいるのが何とものどかだった。
航路は2時間足らず、ビールを飲んでいるうちに私たちを函館へと運んでくれた。
PM 1:10 函館朝市食堂
あらかじめ旅の情報誌"るるぶ"で仕入れた情報を頼りに、港に近い函館朝市食堂へと出かけ、遅めの昼食をとった。目当ての極細イカそうめんを食べる楽しみに、ワクワクしながら食堂の暖簾を
くぐったのだが、残念ながらイカそうめんは品切れた後だった。しかたなく「いさりび定食」
を注文したが、「イカワタ」と「イカのごろ煮」という腸がらみのサービス品にありつけた。イカの腸で煮たという"ゴロ煮"が、ご飯とマッチして美味しかった。
この店の「いさりび定食」とは、カニとイカといくらが乗った丼だが、イクラが嫌いな
私のわがままを聞き入れてもらい、イクラの代わりにホタテを載せてもらった。
お腹の膨れた後は、猛暑の函館を早々に後して、洞爺湖へと向かう。
洞爺湖までは、太平洋の海原を右手に、延々と続く続く海岸線をしばらく走る。
海岸線の走りに厭きたころ、長万部から道央自動車道に入り、今度は左右山を見ながらの走りとなる。
右も左もただただ広い。見渡す限りの草原で、時折通る牧場では牛や馬が放たれている。北海道は本当に広いという実感(^^;)
PM 6:00 洞爺湖で札幌ラーメン
晴れたり曇ったりと本当に忙しい1日だった。洞爺湖に着くころになると、再び
空は曇ってしまい、洞爺湖の美しさや昭和新山を見ることはできなかった。
昼間海の幸でご飯をたらふく食べたので、この夜は麺類が欲しくなった。夜になってから洞爺湖温泉街までドライブ。ホテルの温泉に入り、湯上がりに札幌ラーメンを食べた。
酒を仕入れるついでに、酒屋から「美味しいラーメンを食べさせてくれる店情報」を仕入れてきた。
ここの味噌ラーメンは、それなりに美味しかった。ラーメンを食べながら、初老の店主から、
彼が北海道に住み着いたいきさつを聞かされたのだが、一風変わった経歴の持ち主だった。
その昔、洞爺湖を知らずに都会からいきなりやってきて住み着いたのだという。映画の撮影所勤めだったそうなのだが、映画が斜陽になったので職にあぶれ、都会が煩わしくなったらしい。
いきなり北海道に住み着くというのも凄いが、その自由さがなんとなく羨ましく思えた。
旅に出ると、風変わりな出会いがあったり、これも旅の楽しみの一つかも知れない。
実は薬研野営場でも、不思議な再会があった。昨年、隣同士にテントを張った一家と、今年もまた出会ったのだ。関西の方から来たという一家だったが、あまりの偶然に本当に驚いた。
私たちではなく「まっこい」を覚えていたのである。